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渡辺淳一の「夫というもの」 は今読んでも面白いです

タイトルの本は10年前に出版されていますが今読んでも共感できるところがあり参考になります。渡辺淳一は性の話が多く、この本も随所にでてきますがなるほどなという印象しかもちませんが、言葉使いがうまいのでつい笑ってしまいます。夫が浮気をする理由として愛における男の複数指向という表現で他の女性にも目を向ける生き物だとしているのに対し、女性は一極集中であるオール・オア・ナッシングであると対比しています。

性以外に参考になったのは夫のプライドの項目で実家に対する想いの強さで、妻が夫の実家をけなしたときに怒りだすところは共感を持ちました。実家から離れてくらしていて普段あまり気にしていませんが、妻が何気なく文句をいうと自然に怒っている自分にきがつきます。

会話が苦手な夫の話がでてきますが、妻は口が達者でおしゃべりですが夫は寡黙である理由はおもわずうなずいてしまいます。夫が話をしない理由で最初にあげられているのは仕事や人間関係で疲れているというところです。同じように妻も疲れているということなので言い訳にできないと記載されていますが、日中の井戸端会議をみているとうまくストレスを発散しているのでどう考えても夫の方が精神的な部分で疲れているのではと考えてしまいました。

ただし夫は会話は苦手であるが語ることが好きだという例で金八先生がでてきますが、彼の熱い語りは生徒に対してのものですが実は自分の発言に陶酔しているというところはなるほどなと思いました。サラリーマンが会社の帰りに飲みにいくのは会話をしているのではなく、一方的にいいたいことを吐き出しているというのはまさにその通りと納得してしまいました。

妻に言われたくない言葉にケチということがあると表現されていますが、まさに自分にあてはまります。時々自らケチということはありますが妻から何気なくいわれたときは無性に腹が立ちます。

定年後に夫と妻の立場が逆転するということは将来その立場になるので身に沁みます。夫は粗大ごみではなく、生きているので粗大生ゴミであるとか、産業廃棄物とか表現していますがその通りな気がします。会社を辞めるとその社会からはじき出されて孤独になり廻りに誰もいなくなります。表面上の付き合いは残るかもしれませんが一日何をしていいのか困ることは予測できます。妻は近所や友達が多いので孤独になることは少ないので仕事をしなくなった夫は今後どう生きていくのかは考えさせられました。

夫というもの

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