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学年の皆と異世界トリップ。そして、俺だけがサバイバることになりました。

何の前触れもなく唐突に異世界転移。身体能力は原因不明の上昇をしていますが気休め程度というハードルの高さですが不幸中の幸いで地球のサバイバル知識が異世界でも通用する舞台設定です。主人公竜崎大我のドライさ、残酷さは仕方がないと思いました。好きな女子生徒以外は死んでくれたほうがいいというのは食料の取り合いや方針の違いを考えると致命的な事態を招くかもしれないと私でも思います。

異世界で何の特殊能力もないかわりに、豊富なサバイバル知識で怪物を罠にはめたり、食糧問題や水や寝床を工夫してやりとりするのは、何の取り得もない楽して日本人が原因不明のパワーアップで異世界冒険の物語よりも楽しいです。
しかし、あまりにも過酷すぎて娯楽要素が薄いのでちょっと読むのが疲れる小説です。人は容赦なく死ぬ、主人公に同行するこの小説の美少女ヒロイン達は、生で気持悪い生物を食べるタフすぎる冒険者、とてもヒロイン?に萌えるのは難しいでしょう。
精霊に頼る魔法があっても砂漠や湿地帯の攻略にはなお危険だらけ。異世界のサバイバル知識は地球のサバイバル知識よりかなり遅れているため熟練の冒険者が同行していてもいつ死人が出るか、ひやひやします。
安穏としたお気楽異世界物とは違った読み応えが新鮮です。何度も死にかけるは、あまりの過酷さに主人公が最近の異世界転移転生系ラノベ主人公をひがんで脳内で悪態をつきはじめたり、重い展開だらけでギャグもコメディも無いのが読むたびに落ち込みそうになりますが、底なし沼や流砂から脱出する方法や、湿地帯では凶暴な動物よりよほど重大な危険が存在するという解説など、一生役に立つ事はないでしょうが友人知人に、この小説の雑学を披露したら面白そうです。
異世界の怪物を地球のサバイバル知識で倒すのはちょっと納得いきませんでしたが、それ以外では、主人公の披露する豊富な知識量には、この小説の作者さんはよく調べてあるなと感心し、私の知らないサバイバルあれこれが出て来るたびに、これ覚えておこう!という気分になれる小説です。

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