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死刑廃止論に一石を投じた作品、イノセントデイズ

私はずっと死刑制度には賛成でした。
勿論、殺人と言っても色々です。
一概に全部の殺人を一括りにして考える事はできません。
でも、明らかに何の罪もなく、何の理由もなく、人を殺すような人間は死刑すべきだと思うのです。
でも、この小説はそんな死刑賛成派の私に、考えさせました。
実際のところ、死刑になった人間で冤罪だった人は何人いるのだろうと・・・。
主人公は、学生時代に友達の罪を被り未成年者の刑務所へ行った過去があります。
そして、今度は付き合っていた人に振られて、その奥さんと二人の子供を放火で殺害するという罪を犯す。
自分がしたのだと自白します。けれど、決して反省の色は見せません。
最後までもやもやしながら読んだ部分でしたが、付き合っていた人の事情を知る親友も、幼馴染の弁護士も、助けようとはするけれど、誰も彼女を信じはしませんでした。
けれど、もう一人の幼馴染だけが信じた。
その彼だけに裁判所で見せた彼女の態度が凄く心に残りました。
衝撃の結末、それは彼女が冤罪であったという事。
また、人の罪を被って服役し、死刑になってしまった事。
真実が分かった時には、もう彼女はこの世にいなかった事。
自ら死を選んだ彼女の悲しく、暗い生い立ちの末の彼女が選んだ人生の結末。
物凄く悲しくやり切れないお話なのですが、そんな中で彼女が人の罪を被り、やってもない事を自白し、けれど反省の色は見せなかった。
この部分が、彼女の人間としての意地、自尊心の欠片であったように感じました。
自白してはいても、その人の心の中の本当の部分は見えないまま、人を裁いてしまうという裁判というものは何なんだろう?とも深く考えさせられた作品でした。

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