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『書店主フィクリーのものがたり 』ガブリエル・ゼヴィン著を読んで

読書を、ことに小説を好む人には共感できるストーリーだと思います。

アメリカの北東部に島があって、そこには一軒の本屋しかありません。

最愛の妻を失ったやさぐれた本屋のところに2歳のかわいい女の赤ちゃんが転がり込んできて、適当に悶着があったけれど、ひとりで育てることになって、可愛さに救われて行って、島の人が色々と気をもんで、初めはいがみあっていた出版社の女性と満更でもない感じがでてきて、へらず口を叩きあう友達がいて、善人がいて、悪人がいて、少しの謎があって、むにゃむにゃあって、読み終わったら少し泣いているかもしれない筋立てです。

あれ、どっかで聞いたような話では!?という疑問はさらっとスルーして、私は本書が好きになりました。

結構悲惨な出来事を、ユーモアとウィットで温かくくるんだ会話などが好きです。

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「これもなにかの警告なんだ」とA・Jはいう。「これからはぜったい酒の量を減らしますよ。」

「このビールを飲んだらね」とダニエルがからかう。

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などです。

様々な作家や作品へのオマージュに包まれているこの作品は章の初めに、主人公の本屋が気に入った小説の推薦文のようなものが書かれています。

フラナリー・オコナ―『善人はなかなかいない』の紹介が面白かったです。

「ひとは退屈な嘘をつく、政治について、神について、愛について。きみは、ある人物のすべてを知るための質問を知っているね。あなたのいちばん好きな本はなんですか?」

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