本棚

伊藤くんAtoE…続いてほしい!

映画化されると聞き、原作の「伊藤くんAtoE」を読みました。

5人の女性が同じ「伊藤くん」に振り回される…という映画の宣伝だったのでなんとなくそういう話なのかな?と先入観がありましたが、読んで思わず胸がぎゅっと締まる気持ちになりました。

なぜ伊藤くんはそんな言動をするのか、次々と女性に声をかけたりデートをしたりするのに、肝心なところで…とやきもきしながらずっと読み進めていましたが、途中で自分も伊藤くんに振り回されているような、そんな複雑な気持ちになったからかもしれません。

それほどまでに流れるように自然に話に入っていけるうえに、その場に自分もいるような錯覚を起こせそうな巧みな文章が、よりリアルにこんな人いそう!と思わせてくれました。

ゆとり世代、さとり世代とも呼ばれる伊藤くんの考えが最後の最後に語られた時、心の奥に秘めて絶対に表に出してはいけない「人間の本心」というものを突きつけられた気がして、強いショックを受けました。

確かにそうだ、そうだけどそれ言っちゃう?まして行動しちゃう?と紙面に問いかけたくなるほどの素直な気持ちに痺れてしまいました。

ゆとりやさとりと括られている彼らにも、れっきとした強い意思や志や夢も希望もあって、それらを口に出すことを憚らないででぎる強さがあるのだということを、伊藤くんを通して訴えられたようにも思えました。

タイトルの通りAからEの5人の女性が出てきますが、読み進めるにつれて「本当に5人しか振り回していないのか…?」と疑いたくなるくらい伊藤くんの女性遍歴が窺えるので、ぜひ続編で「FtoZ」まで書いてほしいと思ってしまいます。

コメントは受け付けていません。